



全国で唯一本校の高校3年生のみ受講することができる「静岡の伝統工芸」〜漆工芸〜が今年度も無事終了しました。
この授業は本校で20年以上続いており、本物の漆を使い「箸」「スプーン」「フォーク」などを完成させ、自分で作ったものでお弁当を食べ、使いやすさを実感しています。また、授業担当者が美術教諭として長年培った知識や技術と、全国でも数少ない漆芸家として30年ほど伝統的な知識や技術を学び身につけたものを含め、受講した生徒たちに「本物の漆工芸」を体験させています。
最近では使い捨てのモノが多く、壊れたら捨てるという考えをする人が多いこの時代だからこそ、丁寧に手間をかけて制作をする伝統工芸を通して「人やモノを優しく大切にできる心」を身に付け、素敵な大人になってほしいと思います。
完成後に生徒から「一生懸命作ったので捨てるなんて考えられない」「こんなに手間がかかっているとは知らなかった」「絶対に大切に使います」「漆は自然塗料であり安心安全だと知った」「親へプレゼントをした時の喜ぶ顔が早く見たい」などの感想も聞くことができました。
今後も漆芸の知識や技術を磨き、この静岡大成高校でしか学ぶことのできない「静岡の伝統工芸」〜漆工芸〜の授業で新しいことにも取り組み、学ぶ楽しさを幅広く発信していきたいと思います。
【漆工芸品ができるまで】
今回の授業同様に、手間のかかる作業が10工程以上あり、特に「塗り」に関しては1日1回のみ塗ることができ、かぶれに注意し塗面に埃が付かないように気を配り、乾かしている時の温度や湿度を数時間置きにチェックするなどの管理をしています。「全体の工程」としては「木地作りー木固め塗りー研ぎー中塗りー研ぎー上塗りー艶上げ」など回数を重ね納得のいく厚みや艶に仕上げています。
このように手間をかけて作っていることを、少しでも多くの方に知っていただけると「漆塗りのモノは値が高い」ではなく「それだけの価値のあるモノ」だと思えるのではないでしょうか。
【漆工芸品は修復可能】
「漆塗り食器」は毎日のように使って拭くを繰り返すことで美しく艶が上がります。「漆」は安心安全な自然塗料であり固まれば口に入れても大丈夫です、また壊れても直し使え、SDGs(目標12)や3R(リデュース・リユース・リサイクル)とも一致し、これからの世界に必要なモノであり技術だと思います。
【その他】
世界最古の漆は日本にあり、日本独自の文化である。約1万年前から続く世界最古の伝統工芸。「漆(うるし)なくして文化なし」という言葉もある。
(福井県鳥浜貝塚で約1万2600年前の漆の木片を発見)
(北海道・垣ノ島B遺跡で約9070年前の漆の副葬品が出土)
